ブラックバードは飛べたのか?
4人の才能の火花が飛び交うような『ホワイト・アルバム』、ビートルズ・アルバムの中でもっとも好きかもしれない。その中でも「ブラックバード」はポールの珠玉の名曲といえる。昔はギターと格闘したものだが、詩の世界も興味深い。
「黒鳥は傷ついた翼でひたすらこの瞬間を待っていた。夜の漆黒の闇に灯る光を目指して、今、飛び立つ」と歌われるのだが、日本版wikipediaに拠ると、この「鳥」は「黒人女性」を意味するという。「黒人」「女性」? ポールの発言だというが、ソースはどこなのか(書いてない)。英語版に拠ると、2002年5月、テキサス州ダラスでのショーで、ポール自身が「南部州での黒人の闘争が頭にあった」と語ったという。
いずれにしても、いつか飛び立つ日を待ち望んでいるすべての人の曲なのだろうか。しかしブラックバードは、果たして、飛べたのか?
楽譜を見ると、後打ちの音で常に開放弦の?Gが鳴っているようだ。これは『リヴォルヴァー』あたりで多用されたドローン、インド音楽経由の同一保続音の名残か。
コードが変わっても同じ音がずーと鳴り続けると、ある種の安定、静止状態が生まれる。このことから見ても、あるいはサビmiddleの“fly”という歌詞で、ブルー・ノート風にB♭へフラットすることから見ても、本当に飛べたのか、不安になるのだが。
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